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【概要】

◎事業の状況等
▽市況動向
・株券等の一日平均売買代金は、下期には4兆円を超える月があるなど活況を呈し、通期では前年度比14.9%増となる3.4兆円となり、過去最高を更新
・デリバティブは、下期に現物市場の活況や、ボラティリティの上昇を受け、取引高が急増。日経225先物の一日平均取引高は前年度比8.9%増の20.1万単位、TOPIX先物は17.0%増の10.5万単位。また、長期国債先物は25.9%増の3.6万単位
▽ETF・ETN/REIT市場の動向
・ ETF・ETN及びREITの一日平均売買代金は、下期においては、レバレッジ型ETFの売買の増加を背景に増加傾向に転じたが、通期においては前年度比8.8%減
・ 2016年度以降、TOPIX ETFを中心に、ETFの純資産残高は着実に増加
▽IPO/POの動向
・東証におけるIPO件数は、前年度とほぼ同水準となる83件
・上場企業・REITによる資金調達額は1兆9千億円程度となり、1兆8千億円程度の資金調達があった前年度と比べて微増
▽デリバティブ市場
・市場の活況を受け、全商品合計取引高は前年度比15.0%増となり、過去3番目の水準。ナイトセッション(NS)比率は36.1%と過去最高を更新
・2016年に上場したマザーズ先物の取引高は、12月以降、毎月40,000単位を超え、3月は過去最高となる57,504単位

◎2017年度 決算〔IFRS〕の概要(2017年4月1日~2018年3月31日)
▽営業収益の状況
・取引の増加に伴い、取引に連動する取引・清算関連収益が増加
・ETFの純資産額や、上場会社数、時価総額の増加による年間上場料及びETFを中心とする追加上場料の増加に伴い、上場関連収益が増加
・相場情報の利用拡大による相場情報利用料の増加や、ETFの純資産額の増加による指数ライセンス収入の増加に伴い、情報関連収益が増加
・東京商品取引所(TOCOM)へのシステム提供や、取引所システム接続ネットワーク(arrownet)利用の拡大等により、その他の営業収益が増加
▽営業費用の状況
・ESOP信託制度導入等に伴い、人件費が増加
・システムセキュリティやBCPの強化及び新清算システムの稼動(2018年2月)のための支出などにより、システム維持・運営費が増加
・デリバティブ売買システム(J-GATE)のリプレース(2016年7月)までの旧J-GATEの加速償却の反動減により、減価償却費及び償却費が減少
▽業績ハイライトと2018年度予想
・営業収益は前期比11.9%増の1,207億円、営業利益は20.9%増の717億円
・システム維持・運営費や人件費の増加により営業費用は増加したものの、取引関連収益を中心とする営業収益の増加がそれを上回り、当期利益は前年度比19.8%増
・JPX発足5周年及び過去最高益の達成を記念し、1株あたり10.0円の記念配当を実施
・2018年度は、営業収益は前期比1.9%増の1,230億円、営業利益は5.3%減の680億円を予想

◎第二次中期経営計画のアップデート方針
・現下の外部環境や想定される課題等を踏まえつつ、これまでの進捗や効果を確認しながら、第二次中期経営計画の達成に向けた仕上げの1年として実行計画を見直す
・引き続き、市場の信頼性及び効率性の維持・強化に重点を置きつつも、フィンテックによって生じうる変化の方向性なども展望しながら、重点的な施策を追加・修正する
・2019年度以降の次期の中期経営計画に向けた助走期間として、ESG投資の促進や人材基盤の強化、フィンテックの活用など、新しい経営課題へのリサーチや投資強化を進める