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【概要】

◎OSEデリバティブ市場の概観
▽取引高推移
・デリバティブの取引高は、市場環境の影響が大きく、特にボラティリティとの相関が高い
・OSE取引高もJPX発足以降毎年3億枚超で推移しているが、低ボラティリティ環境の長期化の影響は免れない
▽夜間取引の活発化
・取引時間帯の段階的な拡大とともに、夜間の取引高は順調に増加
・2016年7月には、翌朝5:30までの延長により、米国の取引時間帯をほぼカバー。グローバルな政治経済イベントに即時に反応しながらの取引が可能に
▽増加基調の取引① TOPIX先物
・日経平均先物が市場環境により増減する一方、TOPIX先物の取引高は堅調に推移(足許、4四半期 連続で増加)しており、2017年度は過去最高の取引高を記録
・背景に、インデックス運用の隆盛、統合効果による投資家拡大、流動性改善による利便性の向上など
▽増加基調の取引② 長期国債先物
・低金利・低ボラティリティの環境下で債券市場全般の機能低下を指摘する声もある中、長期国債先物では新たな投資家の参入などにより取引高が増加基調

◎新商品戦略
▽マザーズ指数先物の振興
・第二次中期経営計画の重点的な取組みの一つの柱である「デリバティブ商品の多様化」に関し、J-GATE稼働にあわせ、東証マザーズ指数先物等の4商品の新規上場を実現
▽フレックス・オプションの導入 -導入の背景-
・金融危機後、G20サミットにおける合意に基づき、国際的にOTCデリバティブの規制が強化される
・この結果、市場参加者においても「OTCから取引所へ」の流れが加速
▽フレックス・オプションの導入 -商品性-
・OTC取引における条件設定の自由度と、取引所取引の安定性・透明性・利便性を兼ね備えた商品
・6月25日から申請受付開始

◎投資家拡大戦略
▽投資部門別取引シェアの推移
・アルゴリズム取引の隆盛に伴いHFTを中心とした海外投資家のシェアが拡大する一方、国内の証券会社自己部門の取引は縮小、国内機関投資家の利用も進んでいない
・個人投資家はミニ先物・オプションにおいて一定のプレゼンスを保っている
▽多様な投資家層の形成に向けた活動
<国内機関投資家>
・年金運用におけるデリバティブ利用の素地形成
・金融機関における直接的/間接的デリバティブ活用促進
<個人投資家>
・商品性とリスクの理解を促すコンテンツの提供
・税制改正要望
<海外投資家>
・新規投資家の参入促進
・アジア圏におけるFCMフローの獲得
<証券会社自己部門>
・自己ディーリング再活性化に向けた取り組み